INTERVIEW インタビュー

ココネ

世界30位以内を目指すココネグループのブロックチェーン「MOOI」

世界30位以内を目指すココネグループのブロックチェーン「MOOI」

ココネグループのPOST VOYAGER(※1)が今夏にローンチしたブロックチェーンネットワーク「MOOI」

ココネのweb3関連の事業は、すべてその「MOOI」を基盤にして形作られています。今回、VOYAGER Japan(※2)CEOの趙 訓濟(cho hunje)に、改めて「MOOI」の概要やロードマップ、そしてエンジニアに求める能力について話を聞きました。

※1 シンガポールに拠点を置く、ブロックチェーンプロジェクトに特化したココネのグループ会社。韓国IT企業大手のカカオグループが開発したレイヤー1ブロックチェーン「Klaytn」とパートナーシップを締結
※2 POST VOYAGERの日本法人


メタバース領域に特化した「MOOI」

― 「MOOI」開発の経緯と概要について教えてください。

趙:ココネがweb3事業に挑戦するためには、今まで築き上げてきたアバター事業やメタバースに特化したブロックチェーンネットワークが必要でした。

具体的には、
①安全性を担保しつつお客様が使いやすい環境を提供できる
②各サービスで自由にトランザクションが可能で且つ手数料が一定して安い
を備えているものです。

それらの条件を満たすために開発されたのが「MOOI」であり、このふたつのポイントこそ、ほかのブロックチェーンよりも優れている点だと思っています。
ただ、分散されたノードの記帳によって承認されていく仕組みのブロックチェーンは、そもそも生まれ持った取引スピードの遅さがあります。
「MOOI」もより高い次元でユーザーを納得させるという課題があり、UIやUXの面を考慮しながら引き続き改善したいと考えています。

ローンチしてから「MOOI」は、ウォレットや『Jellyme』というNFTマーケットプレイスに加えて、DX・DeFiなど様々なソリューションを早いスピードで開発しリリースしてきました。
今後もココネの新しい事業を支えるインフラとして、これからサービスが始まるMOOI基盤のプロダクトを利用されるお客様の反応や市場を見ながら、開発運用を進めていきます。

― 実際、ココネグループから『Meta Livly(※)』や『Jellyme』がローンチされ、ほかの新サービスの開始も複数予定されています。サービスを作るチームから要望などありましたか?

趙:いろいろありました。
『Jellyme』ではサービスごとにソートする機能を設けたり、キービジュアルをアピールできる場所を用意しました。
ただ、人材とリソースが限られており、まだすべての要望に応えられていないのが現状です。
今後の課題として引き続き改善していきます。

※『Meta Livly』:GooglePlayアワード2021にて部門賞を受賞した人気アバターアプリ『リヴリーアイランド』のIPを用いたPlay and Earnサービス。Cocone M株式会社(韓国)が開発運営し、2022年8月よりサービス開始。

MOOIとKlaytn

― MOOIとKlaytn Networkとのつながりについて、その経緯から教えてください。

趙:POST VOYAGERは2019年の設立当初からKlaytn Networkのガバナンス・カウンシルとして参加し、現在に至ります。
さまざまなブロックチェーンの中でKlaytn Networkの技術を最も理解していたこともあり、Klaytn基盤のサイドチェーンとして「MOOI」を開発しました。
ローンチ当初からKlaytnとブリッジしていて、現在はPolygonとも資産を連携しています。そのほかアバターやメタバースで優れたサービスがあれば、積極的な連携も考えています。
レイヤー2のブロックチェーンではあるものの、メインネットと呼ばれても恥ずかしくないネットワークに進化させていくことが目標です。

世界30位以内のブロックチェーン

― MOOIの未来や達成したいこと、そして会社として、もしくはご自身の夢を聞かせてください。

趙:「MOOI」の未来像は、マーケットで世界30位以内のネットワークに入ることです。これは、ココネグループとして掲げているいちばんの夢です。
私自身の夢は、日本の人口の10分の1が「MOOI」のウォレットを持つことです。
そこまで成長させていきたいと思っています。

― 「MOOI」のロードマップはどうなっていきますか?

趙:まず安定性と、アバターサービスに特化したネットワークを作ること。
2023年まではそういった機能を拡充しながらサービスを展開していきます。
その翌年にはココネグループ以外のサービスもオンボーディングできる体制を整えて、パブリックネットワークとしてオープンしていく形を目指します。
3年間でパブリックネットワークとして成し遂げたときには、世界30位以内のネットワークに入っているように全力で頑張ります。

新web3サービス『PKCL Twins』

― 現在ココネで開発中の「MOOI」基盤サービス『PKCL Twins』について、ブロックチェーン開発側からみていかがですか?

趙:新しいサービスの『PKCL Twins』は、ココネグループで特に大事なプロジェクトのひとつです。
さまざまな事情や規制があって日本でのサービス展開はありませんが、『PKCL Twins』は初めてココネのアバターサービスに触れるお客様もすぐに理解できるような分かりやすいシステム、且つ既存のお客様が見ても納得できるようなサービスサイクルを持っています。
アバターサービスとブロックチェーンの結合によって、これまでにない世界を構築できるのではないかと期待しています。

ブロックチェーン開発企業「POST VOYAGER」

― ココネグループにおいてPOST VOYAGERはどのような立ち位置の会社になりますか?

趙:アバター事業が基幹となっているココネグループのなかで、ブロックチェーン技術の開発・研究・運営がPOST VOYAGERの領域です。

― 同社の日本法人であるVOYAGER JAPANではどのような業務を行っていますか?

趙:「MOOI」基盤のサービス開発は世界各国のココネグループで行われていますが、そのうち日本で行われている事業をサポートしています。
ココネサービスの開発の大多数は東京で行われていて、彼らエンジニアの支援をしたり、サービス企画のウィッシュリストを聞くなどの相談に乗ったりして、それらを「MOOI」に反映するという仕事をしています。

― ココネグループとしてどのようなエンジニアを求めていますか?

趙:まず好奇心がある方。
これは新しい技術が出たから気になるということではなく、好奇心の源が「なぜ?」から考えられる方が良いと思っています。

ほかにもココネには以前から”献身”というキーワードがあります。
これは身を投じて仕事をしろ、ということではありません。
エンジニアの武器は、10時間かかる仕事を5時間に短縮化させたり、複雑な仕組みを自動化させたり、技術を使って有意義なシステムを構築するという能力を持っていることです。
その武器を最大限活用するためには、常にまわりの人の不便なことを見つける意識を持つことが重要です。
同僚や先輩・後輩を助け合いながら業務改善をしたり、当たり前だと思っているものも当たり前じゃないと思って改善できる人が、良いエンジニアの素質を持っている方なのかなと。

― 最後にひとこと

趙:私は日本市場を担当しているので、いち早く日本のお客様が「MOOI」に触れられるきっかけをたくさん作っていきたいです。
規制や法整備など調整すべきことは多々ありますが、日本の多くのお客様がMOOIを利用される日には今以上に満足いただけるサービスになっていると思いますので、応援のほどよろしくお願いします。

アフタートーク

―最近、業界に大きな混乱が起きて思わず話題にせざるを得ませんが、どう思われていますか?

趙:今年5月の事件から始まってクリプトウィンターもそろそろ”底”かなと思ってたのに・・・まだあったという・・・。

市場資本主義が100年以上続くなかで、様々な規制や資産を扱うための心構えが形作られてきましたが、暗号資産ではそれがまだ足りていなかった。
これまで起こったいくつかの事件の経験から、今後ユーザーはサービス提供側の「モラル」の問題を気にするようになると思います。

拡大していく市場では、みんな絶対つぶれないだろうと思いがちです。
今回の事件で「そうではない」ことが分かったので、お客様の目も厳しくなるし、国の規制も厳しくなり、少しずつ修正されていくと思います。
まだ先が見えない状況ではあるけども、実は業界自体が次のステップに進んでいているのかなと思っています。


ブロックチェーンネットワーク「MOOI」の概要や今後の展望について話を聞きました。

いずれ日本でサービス提供できるようになった時には「日本の人口の10分の1がMOOIのウォレットを持つ」と話していたVOYAGER Japan CEOから、「MOOI」への期待と自信が伝わってきました。
今後リリースが予定される新サービスについてもこれから随時紹介していきますので、ぜひご覧ください!

そしてココネではブロックチェーンを用いたweb3事業において積極的に採用活動を行っています!
サービス企画担当へのインタビューやイベントレポートなども掲載していますので、こちらの記事もぜひご覧ください。

web3につなぐ。ボードメンバーが描くココネの未来予想図<前編>
web3につなぐ。ボードメンバーが描くココネの未来予想図<後編>
「Web3チーム」設立とココネの開発

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